落合陽一さんの「デジタルネイチャー」を読んだ感想・レビュー
2019/04/16
6月20日にKindle版で購入した落合陽一さんの「デジタルネイチャー」ですが、難解で少しずつ読んで何とか読み終えたので感想・レビューを書いてみます。
読み終えたといっても、なかなか言葉などが難解だったりして私が理解できたのは大枠だけです笑
まず用語とか知らないものが多いので、私のようなそういう横文字に弱い人間にはちょっと大変でしたね。
なのでグーッと読み終えてしまったという風にはならずに、一度中断するとまた読み始めるのに「よし!」という感じになってから再開したりしてました。
英語の本を読むような感じでわかるところだけわかればいいや!と割り切るようにしたらとても面白く読めました笑
落合陽一さんって落合信彦というジャーナリストの息子だそうです。
私の世代ならスーパードライのCMに出ていたオジサンと言えばわかる人が多いかもしれませんが、若い方は知らないでしょうね。
それはいいとして、落合陽一さんって「凄い!」という人と「胡散臭い」という人がいると勝手に思っています。風貌とか、時の人的な感じから、ちょっとインチキっぽく見えるのですかね。
私はそれほど悪い印象はありません。私は2ちゃんねる創設者のひろゆきさんが今の時代に出てきたような感じがして、落合陽一さんの動画とか本を読むと「頭の体操」になるので好きです。
ひろゆきさんは「落合さんはわざとああいう風にしている」と言っていましたね。
私の大学時代の友達で凄い頭のいい奴がいたのですが、あんな喋り方でした笑 その友達からは私のようなものが使わない言葉が沢山出てきて新鮮でしたね。ブルジョワジーがどうたらとか言っていたのを思い出します笑
頭がいい人、知識が広い人の話はこちらの頭ではなかなか追いついていけない感じがして、追いつこうとするのがゲームみたいで楽しい!となっているのでしょうかね私は。
落合さんがみんながわかるような言葉遣いで話すようになったら、それはそれで個性的でなくなるのでこれほど「時の人」的な感じにならなかったのかもしれませんが、私は落合信者ではないので、この本の内容をわかりやすく表現してくれたら助かるなぁと思います。
自分の理解度が低い言い訳はこのへんにして、「デジタルネイチャー」の感想を書きます。
全部について書くのはなかなか大変なので「お!」と私のような理解力でも思った部分だけ少し書いてみます。
これは他の方も結構おっしゃっていることだと思います。
近代は、画一的な教育やマスメディアで同じような欲望を持たせることでき、それが社会に効率性をもたらしました。AIが進化していない時期にはこのような考え方で良かったと言えます
しかし、AIが進化したとき、2つの社会に分かれるのではないかと落合氏は言っています。
<AI+BI>
BIはベーシックインカムのことで、AIが構築した仕組みの中で機械の指示通りに人間が働く社会
<AI+VC>
VCはベンチャーキャピタルのことで、AIを利用して新しいイノベーションを起こすことのできる人間が働く社会
二極分化という発想は面白かったです。
ひろゆきさんもベーシックインカムがいいと主張していますが、頭の良い方がこのような発想をしているのが興味深いと感じました。
従来の資本主義のまま留まるのか、ブロックチェーンのような非中央集権のオープンソース的な思想が力を持っていくのか、という部分も興味深かったです。
資本主義がもう限界にきているというのは、結構言われてきています。「必要の無いものが大量に生産され、貧富の差が拡大し続ける」なんていうのはかなり前から言われてきました。「持てる者」は資産を増やし続け、「持たざる者」はどんどん貧しくなると。
では共産主義がいいのか、というイデオロギーの問題で論じられてきましたが、オープンソースというものによって資本主義の問題点を「自然に」変えていく可能性があると書いているのだと思います。
オープンソースの思想は、倫理観を強制しなくても自然に倫理的にさせるという例を書いてくれていましたが、これがわかりやすかった。
現在ほとんどの人は「他人の悪口を言ってはならない」という倫理観がありますよね。
じゃあTwitterで人の悪口ばかり書いている人は平気でいられるでしょうか。
そのツイートが未来永劫残るとしたら、普段の発言よりも倫理的になってしまうのではないでしょうか。
今はすぐに特定されてしまいますしね。
そう言われると我々は倫理的に振る舞うことをネットというものに強いられているとも言えるなーとちょっと共感しました。
デジタルネイチャーという概念を日本語で書くと「計算機自然」ということのようです。
この本の題名でもある「デジタルネイチャー」については、ぜひこの本を読んでもらいたいと思うのですが、私が感じたことを少し書いてみます。
自然というものをどう捉えるか、ということに変化が起きるということを言いたいのだと思うのですよね落合さんは。
テクノロジーが進化していくと「自然」になっていくといくというのは、ここ最近どんどんCPUやGPUが進化して機械によるグラフィックが肉眼で見た自然のようになってきたことからも共感できます。
VRとかそういうのって、結局そういうことだと思います。今はまだ解像度とかGPUなどの性能が個人PCで所有できるレベルに進化していないのですが、VRゴーグルをしたら肉眼で見た景色と同じ解像度やなめらかさで表示されたら、脳は区別できなくなるんじゃないですかね。
たしかにいつかは家から出なくても会ったのと同じことが出来るようになると思います。
しかし、機械がここまで進化するのがいつなのか、落合さんは簡単にサラっと書いていますが、ここが非常に難しいところだと私は感じました。
CPUとかGPUの処理速度を高めると、機械は熱を凄い持ってしまうのでそれを冷やし続けないといけません。
だから高性能ゲーミングPCとかファンで冷やしてます。この性能と熱暴走とのせめぎ合いをクリアしながら少しずつ機械の性能を上げているのが現状です。
自動運転なんかも、私はこの熱問題が気になっていたりします。長時間走行したときには半導体がとてつもなく熱くなってしまうと思うのです。そうなると性能がガクっと落ちたりしますから。
この進化が落合さんの言っているような「計算機自然」になるにはまだまだ先かなーと私は感じました。
かなり機械の進化がすすまないと計算機自然にはならないとは思いますが、落合さんは人間がどのように現在の問題を解決できるか、を純粋無垢に方向性を示しているというのはとても好感が持てます。
機械が人間の脳を超えるという「シンギュラリティ」(技術的特異点)に達するのが2045年なんて予測されています。
そう考えると、これから30年くらいの期間はこのようなデジタルネイチャーのような模索はとても大切だと思います。
AIと人間がどのような関係になっていくのかを、「AIが人間の仕事を奪う」的な「悪」と捉えるのではなくて、貧困をなくせるとか障害者の活躍や高齢者の介護の問題を解決できるという面を見ながら社会を形成していくことが大切だと思います。
なので私は、この本をわかりやすく表現するような、落合さんを超えるような人が現れて欲しいと思うのです。
今のこの本の表現の感じだと、独特すぎてこの本に書いてあることを評価してる人が「信者」なんて呼ばれてしまうので。
AIとかディープラーニングに詳しい人にとったら、わかりやすい本なのかもしれませんが、、、
GPUのNVIDIAに株投資をしている身としては、機械処理性能というのはAI社会の根幹となるので、成長が期待できると思いました。
私の理解力が足らないとは思いますが、素人が「デジタルネイチャー」を読んだ感想を書いてみました。
ぜひ興味のある方は読んでみてください。
<追記>
本で難しかったことがこのYoutube観たらかなりわかりました。本が苦手な方はコレを観てみるのもいいかと思います。
↓
https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=0Rc6nJYv_wg