カエルの楽園を読んだ感想・レビュー(ネタバレあり)
2018/08/07
百田尚樹さんのカエルの楽園を読みました。かなり評判が良くてアマゾンのレビューでも星4.5くらいだったので期待をして読みました。
感想を一言で言うと、「ひねりなしかい!」です。そのままなのです。擬人化してる意味がないくらいそのままです。百田尚樹さんはハンドレッドで出てきます。こんなのは浅すぎますよね。私の期待としては、後から◯◯は誰々なんじゃないか!とか謎解きサイトが立ち上がるくらいだと良かったと思います。
百田尚樹さんの過去の作品は全く読んでいません。やしきたかじんさんの奥さんの本で色々と叩かれたのは知っていますが、その本も読んでいません。でも、このカエルの楽園は、百田尚樹さんの政治思想を書いただけのもので、寓話の域には達していないと思いました。
私はこの本のテーマにある憲法9条については少し思うことがあります。私も、何の疑問も持たずに平和な日本に暮らせてこれた日本人でありこの本で言うところの「ナパージュのツチガエル」なのですが、カエルに例えて武力による威嚇、抑止力を肯定したようなこの話と、現実の世界とではちょっと違うと思うのです。というのは、今の人間は、核兵器(原子力の兵器)という地球を壊し汚染するだけの力を持ってしまっているということが大事だと思います。
猿の惑星のエンディングでもあったように、「人間はとうとうあのボタンを押してしまったのか」という力なのです。ここまで来た以上、争っている国と国の武力レベルの問題ではないところまで来てると思います。
ここまで来たら肯定するのは武力による威嚇、抑止力ではないところまで来たのではないか、と思うのです。たぶん、サイバー技術の争いになると思うのです。これはすでに日本の政府や大企業の情報がWebで盗られているようですが、ここに日本がお金を使うのなら、賛成ですし税金上げてでもやって欲しいです。
ホント私のような平和ボケのツチガエルはいつまでもそんな呑気なことを言っているなーと百田尚樹さんは笑うでしょうが、武力による抑止力(俺が怒ったらやんぞ!)より、Web技術による威嚇、抑止力(こちらはそちらの情報つかんでますし、いつでも混乱に陥れることできますよ)のほうが怖いと思います。浅いかな。
批判的な記事を書きましたが、一度読む価値はあるとは思います。(何度も読んで発見があるような深みはないと思います)